居直り日記

深く考えずに書く

三重県立美術館「シュルレアリスムと日本」

これを見てきた。

シュルレアリスムに興味があったわけではなく、単に美術館に行きたくなったのである。

作品は全体的に陰鬱な色使いの、シュルレアリスムという言葉から連想されるモチーフ(目とかスプーンとか曲線とか)が描かれたものが多く、少なくとも持ち帰って部屋に飾りたくなるようなものは皆無だった。

絵画よりも、そのころ発行されていた同人誌や展示会の案内ハガキのデザインや、瀧口修造が「持っていかれた」ことを知らせる手紙の実物などが面白い。

常設展も企画展に絡めた作品が展示されていた。その中で、作品は一つだけしかなかったが、久野久という前衛写真家が気になった。ピアニストの久野久と同じ漢字だが読みは「ひさのひさし」。福岡を拠点に前衛芸術グループ「ソシエテ・イルフ」の一人として活動していたらしい人で、「海のショーウインドウ」という可愛らしい作品が植田正治と並べて展示されていた。

artne.jp

他にも作品が見てみたいけど、写真集などまとまったものはなさそう。2021年に福岡市美術館で「ソシエテ・イルフは前進する 福岡の前衛写真と絵画」という企画展があったらしいので、図録には掲載があるかもしれない。

www.fukuoka-art-museum.jp

ところで、三重県立美術館、空きすぎである。 滞在時間中、来場者は自分を含めて20人程度だったのではないだろうか。 こちらとしてはありがたいが、行く末が心配。