居直り日記

深く考えずに書く

「どれも同じように聴こえる」をなぜネガティブな意味で使ってしまうのか

「演歌ってどの曲も同じに聴こえるよね」「カントリーってどの曲もみんな似てるよね」

音楽に限らず、「どれも同じような感じだね」という言葉は一般的には褒め言葉とは受け取られない。むしろどっちかというと悪口だろう。

上のふたつも「私は演歌が好きではないです」「私はカントリーに興味がないです」という表明に近い。

私は60年代・70年代のソウルミュージックやファンクが好きなのだが、友だちから「ソウルってみんな同じに聴こえるよね」と言われたら、「いやそんなことはない!」と力説してしまうかもしれない。

しかし考えてみれば、ジャンルとは「分類項目」なのだ。分類なのだから音やリズム、歌詞や歌い方、楽器の奏法、曲の構成など、なんらかの「共通項」をもつ音楽をまとめているのだ。似ていて当然なのだ。

それなのにどうして「いや、似ていない!それぞれに(細かい)違いがあるのだ!!」という反論をしたくなってしまうのだろうか。別に似ていることを否定しなくてもいいのに。「共通項がある個別のものを集めたジャンルに属する個別のものには共通項があるよね」という、当然のことを言われているだけなのに。言う方も、どうしてそれをネガティブな意味として使ってしまうのだろうか。

「同じに聴こえる」は「自分にとっては退屈だ」の婉曲表現に過ぎないのかな。

Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)

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