居直り日記

深く考えずに書く

「ふだん使いの文章レトリック」ながたみかこ| 例文を読むだけでも面白い

文章の書き方についての本は山のようにあるが、ビジネスパーソンや学生向けのものは「シンプルにわかりやすく的確に書く」がメインのものが多い。とにかく読み手にうまく伝わる文章を早く書くことを最重視する。

対して、これは「レトリック」に関する本だ。

レトリックを一言で説明するならば「文章を魅力的に表現するための技法」です。
(「ふだん使いの文章レトリック」笠間書院 p.4)

多彩な例文が、そこに使われている技法と合わせて紹介されている。例文には歌詞やキャッチコピーも含まれているが、大半は小説や詩などの文学作品だ。その例文の表現の豊かさに、文学ってやっぱり面白いよね、と思う。

ビジネス書やネット上の文章ばかりではなく、こういった「伝えることだけを目的としたもの」とは別の目的をもった文章も適宜摂取して行きたい。

ところで、この本には合間合間に練習問題(●●法を使って次の画像の状況を表現してみましょう、みたいなもの)が挟まれているのだが、これが意外に難しかった。読書はまあ好きな方だが、読んでいるだけでは魅力的な文章を作り出す力はつかないものらしい。