居直り日記

深く考えずに書く

喫茶店で斎藤真理子を読んで帰宅したらハン・ガンがノーベル賞を受賞していた

昨日の夜、斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』を喫茶店で読んでいたら、この間見たばかりの(と言ってもまだ全部見てないんだけど)小津安二郎『麦秋』の話がでてきて「おっ」と思った。 マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々』を著者が若いころに読んだと…

「ふだん使いの文章レトリック」ながたみかこ| 例文を読むだけでも面白い

ふだん使いの文章レトリック: たとえる、におわす、ほのめかす!? 作者:ながたみかこ 笠間書院 Amazon 文章の書き方についての本は山のようにあるが、ビジネスパーソンや学生向けのものは「シンプルにわかりやすく的確に書く」がメインのものが多い。とにかく…

【遠征読書旅】赤目四十八滝 × 「緑の家」マリオ・バルガス・リョサ

遠征読書旅、第二弾 遠征読書旅の第一弾で使った「近鉄週末フリーきっぷ」がまだ1日分残っていたので、翌日、貪欲に使い切ることにした。第一弾の記事はこちら↓ nogami24.hateblo.jp 2日旅行したあとで疲れているので近場でライトに済まそうと思い、赤目四十…

【遠征読書旅】京都・奈良 × 「イリノイ遠景近景」藤本和子

遠征読書旅に行ってきた。 以前↓に書いた「遠征読書旅」を敢行した。 nogami24.hateblo.jp 行先は京都と奈良。 用意した本 今回の旅にあたって以下の2冊を用意した。 イリノイ遠景近景 (ちくま文庫 ふ-54-2) 作者:藤本 和子 筑摩書房 Amazon 砂漠の教室: イ…

「旅する本の雑誌」|遠征読書旅、ぜひやりたい。

旅する本の雑誌本の雑誌社Amazon 「本の雑誌」2017年7月号の特集「本好きのための旅行ガイド」に書き下ろしを追加したもの。 本(と本にまつわるいろいろなもの)を絡ませた旅行ガイドや、本に関するエッセイなどが収録されている。 1章「地域別攻略! 本好…

「ラテンアメリカ五人集」マリオ・バルガス=リョサ ほか | 読んでいながら聞こえている

ラテンアメリカの文学 ラテンアメリカ五人集 (集英社文庫)作者:マリオ・バルガス=リョサ,ホセ・エミリオ・パチェーコ,カルロス・フエンテス,ミゲル・アンヘル・アストゥリアス,オクタビオ・パス集英社Amazon ラテンアメリカの代表的な作家五人の作品で構成さ…

「山のトムさん」石井桃子 | 猫の猫っぷりを素晴らしく魅力的に描く。

山のトムさん ほか一篇 (福音館文庫 物語) 作者:石井桃子 株式会社 福音館書店 Amazon 幼少時、 ピーターラビットもくまのプーさんもトムソーヤーも読まなかったので、多分、人生初の石井桃子である。 舞台は戦後間もない東北の山間にある村。東京から移住し…

「プロット・アゲンスト・アメリカ」フィリップ・ロス | 一気読み必至の歴史改変小説。

プロット・アゲンスト・アメリカ (集英社文庫)作者:フィリップ・ロス集英社Amazon こんなに夢中になって一気に小説を読んだのは久しぶりだ。バカみたいな感想だが「小説家すごい」と思った。というかフィリップ・ロスがすごいのか。 1940年代初頭のアメリカ…

「大学教授のように小説を読む方法」トーマス・C・フォスター | で、結局、聖書もシェイクスピアも読まない。

大学教授のように小説を読む方法[増補新版]作者:トーマス・C・フォスター白水社Amazon ポイントは「記憶」「象徴」「パターン」 この本の主張をざっとまとめると 英米文学には、ギリシャ・ローマ神話か聖書かシェイクスピアかおとぎ話が下敷きになっている、…

「天災と国防」寺田寅彦(講談社学術文庫)

天災と国防 (講談社学術文庫 2057)作者:寺田 寅彦講談社Amazon 寺田寅彦の著作から、災害に関するものを集めて再構成したもの。全十二編。 寺田寅彦といえば「天災は忘れた頃にやってくる」の人で(著作にそのものずばりの言葉はないらしいが)、この本でも…

「外国語を学ぶための 言語学の考え方」黒田龍之助 | 著者の語学愛、言語学愛が良い

外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書 2363)作者:黒田 龍之助中央公論新社Amazon 著者の黒田龍之助氏は、NHKの語学講座に出演していたこともあるそうで、私は知らなかったのだが、語学業界(?)では有名な人らしい。 専門はロシア語やチェコ語・ポ…