居直り日記

深く考えずに書く

「旅する本の雑誌」|遠征読書旅、ぜひやりたい。

本の雑誌」2017年7月号の特集「本好きのための旅行ガイド」に書き下ろしを追加したもの。

本(と本にまつわるいろいろなもの)を絡ませた旅行ガイドや、本に関するエッセイなどが収録されている。

1章「地域別攻略! 本好きによる本好きのための2泊3日ガイド」は、タイトル通り2泊3日という縛りで日本の各地域を本をテーマに巡る旅行ガイドだ。どの地域のプランもなかなか良いんだけど、これはやっぱり自分で作るのが一番楽しいんではないかと思った。自分の好きな作家、作品の舞台、書店、文学館や喫茶店なんかを調べて自分で計画する。人のプランはあくまでその人の好みなので。

意外に面白かったのが5章「本の旅 お出かけメモ」。「本好きの旅ココロエ帖」として、5人の執筆者が「準備」「必需品」「マイルール」「町の歩き方」という4つの項目にそって書いている。

参考になったのが荻原魚雷「気ままな放浪旅」の「準備」。行きの車中で読む本は「再読したい本」にすると決めていて、未読の本は持っていかないそう。

ここで失敗するとつらい往路になるので冒険はしません。安定の本を片道分だけ持っていく。(p.252)

あと、鈴木毅「野宿ドライブ編」の「マイルール」

道の駅には寄らない。(p.257)

というのも印象に残った。理由は書かれていない。無駄なものを買ってしまって荷物が増えるから?

一番真似したい! と思ったのが、高頭佐和子「遠征読書旅はいいぞ!」。要は「本を読むためにわざわざ鈍行列車に乗る」というやつだ。

どんな本をどのくらい読みたいかに合わせて目的地を決めます。移動時間は長い方が良いので、特急や新幹線には乗りません。(p.212)

案の定というか当然というか青春18きっぷが勧められているのだが、近鉄経済圏住みの自分としては「土日を含む連続3日間、近鉄全線が乗り降り自由」の近鉄週末フリーパスを使ってみたい。奈良あたりまで行けば結構な時間が稼げるのではないだろうか。

ゆったり電車に揺られながら本を読み、着いた先で鹿と戯れる。なんて素敵な週末だろうか。涼しくなってコロナがちょっと下火になっていたらぜひやりたい。