居直り日記

深く考えずに書く

【映画】「最後の脱出」| 「まあ、そうなるよね」感あふれる、想定内の映画

世界中の土壌が環境破壊により汚染され、穀物がとれなくなり、飢餓が広まる中で人々が無秩序に陥っていく、というストーリー。

あまりに想定内のことしかおこらないので、かえってリアリティがあり、観ていて落ち込むばかりの映画。カタルシスはない。

飢餓→国家が機能しない→軍隊も統率を失う→人々は食物を確保するために殺し合い、という、まさにウォーキング・デッド的世界が繰り広げられる。

ウォーキング・デッド、あんまり見てないので断言できないが、おそらく「極限に追い込まれても発揮される人間の良い側面」が描かれていたと思われる。しかし「最後の脱出」では、当然のように暴力こそが正義となり、人々も多少の葛藤はあるものの、生きるために手段を選ばず殺し合う。

ならずものにレイプされ、暴力を憎んでいるはずの娘が、「一緒にいると安全だから」という理由で、集団の中で一番危険な男に自分から寄り添うのがなんとも言えない。暴力にさらされたからこそ、とも言えるが。

元祖マッドマックスみたいなバイカー集団(悪役)が登場する。ラスト、結局何も解決しないのがいかにも70年代的。