居直り日記

深く考えずに書く

【映画】「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」| 泣いた

このご時世だし、映画館に行くのも控えていたのだが、どうにも我慢できなくなり、結局観に行ってしまった。

スライもスティービー・ワンダーもステイプル・シンガーズも(メイヴィスとマヘリア・ジャクソンの共演!!)BBキングもグラディス・ナイトも、ほかのアーティストもみな素晴らしかった。お蔵入りだったこの映像を掘り起こして、日の目を見せてくれた人たちには感謝しかない。

メイヴィス・ステイプルズとマヘリア・ジャクソンのところで涙が出てきて困った、映画館なので…。

しかしなんと言っても凄かったのがニーナ・シモンで「これが真のカリスマというやつか…」と圧倒された。煽り上手。目が座っている。

観客の一人が当時を振り返って、彼女のことを「アフリカの女王みたいだった」と言っていたが、まさにそんな感じで、彼女の着ていたアフリカンな柄のドレスの影響もあろうが、得体のしれない威厳があって、圧倒されてまた泣いた。しかしこの後、精神的に結構ボロボロになってしまう彼女のことを思うと辛くもあり。

1968年当時の黒人の人々にとってはただのフェスではない、自分たちのアイデンティティ確認の場であり、新たな時代に向けての決意と同胞との団結を意識する場でもあっただろうが、現代の日本に生きる日本人の自分は部外者である。

が、別にそれはいい。部外者としてパフォーマンスを見せてもらっただけで十分。とにかくその音楽的魅力に圧倒された。この時代のブラック・ミュージック好きは絶対見て損はない。