居直り日記

深く考えずに書く

【映画】「トゥモロー・ワールド」| やりようによっては陰惨な話になりそうな設定だけど、さらっとしている

「人類が生殖能力を失うが、奇跡的に一人の女性が妊娠する。」という特殊な設定の割に、全体的にさらっと薄味。

舞台のイギリスでは、外国人排斥の空気が色濃くなっていて、命からがらたどり着いた移民たちは容赦なく収容所へ入れられるような状態。そんな中、人類の希望とも言える「妊娠した女性(キー)」は黒人の不法移民だった、となれば、否が応でも人間の醜さが発揮されるストーリーになると思うが、その辺はわりとすーっと流される。

だからといって、じゃあ、その辺をゴリゴリと削って掘り起こして、エグい話にしたら満足なのか? 私は多分満足してしまうが、悪趣味であることは間違いないし、そういうものを好むのって我ながらどうなの、と思わなくもない。

露悪的であったり、人の醜さを全面に押し出した表現をこの歳になっても好むのは健全とは言えない(けど治らない)。

マイケル・ケイン演じるジャスパー(ヒッピー風味の元ジャーナリスト)が死ぬシーンでは、政府配布の自殺薬を使ってほしかった。その直前に「運命には逆らえない」とキーに話しているし、そもそも伏線としてセオが訪ねてきたときに、一瞬服毒自殺したのかと勘違いさせるシーンがあったのだから。

ラストの銃撃戦は迫真。