見たのは随分前だけど、メモが出てきたので投稿。
かなりおもしろかった。実際に行政が動いている現場というものを目にすることがないので、興味深く見ることができた。これはアメリカの話だし、日本とはまた事情が違うだろうけど。
普通のアメリカ人の、言葉で自分の考えをちゃんと説明する能力に感心する。こういうところは素直に見習いたいと思う。
当時のボストン市長、マーティ・ウォルシュはアメリカの政治家なのに笑顔がすごく少ないのが印象的であった。といっても、感じが悪いということは全然なくて、言葉に説得力があるので、別に笑顔が必要ないのだ。
ラストの市長のスピーチがとても素晴らしい。こんなことを言われたら自分なんかすぐに支持してしまうに違いない。
映画に出てくるのは皆、自分たちのコミュニティをいい方向に変えていこう、問題を解決しようという意志を持っている人たちなので、とても理性的で前向きである。こんな市民ばかりなら市の運営はホントに楽だろうと思うが、どっこい彼らが直面している問題というのは、市民の6人に一人が貧困でまともに食べ物にありつけていないとか、犯罪が多くて困るとか、ホームレス対策に駅を利用してもらおうとしたら本来対象としてない人たちが集まってしまってやりたい放題(クスリだの売買春だの)になってしまったとか、なんというか「結構ひどい」ものも多い。
当然ながら「真面目で前向き」な市民の背後には、その何倍もの「それどころじゃない」市民が控えているのであって、どんなに優れたリーダーがいても、行政は大変なのである。
シーンの切り替わりにたびたびボストンの建物が映し出されるのだが、どれも重厚感があって立派。地震が少ないんだろうなと思った。