居直り日記

深く考えずに書く

【映画】「暴力脱獄」| どうしても自分でしかいられない切迫感

映画が始まって早々にポール・ニューマンの笑顔に引き込まれる。なるほどそりゃスターになるよな、という笑顔である。

ポール・ニューマン演じるルークの、なんと表現したらよいのかわからないが、どうしようもなく「自分」であり続ける感じ、というか、自分の意志にかかわらず「自分」でしかいられない感じというのが良い。やむにやまれぬ、というか、自分で自分をコントロールできない感じ。「どついたるねん」の赤井英和のようだ。

ポール・ニューマンもさることながら囚人仲間のジョージ・ケネディがすごく良い。体は大きくて喧嘩は強いが字は読めない。はじめはルークを生意気だと思っていたが、徐々に彼のことを好きになっていく。

そもそもジョージ・ケネディはあの顔と体と声だけでオッケーだろ、という気もする。俳優として大きなアドバンテージである。役は限定されるかもしれないけど。

そう考えると、例えばロバート・デ・ニーロなんかは顔も体も声もかなり普通で、あそこまで大物になったのは演技力の賜物か。と思うがしかし、考えてみると個人的にはロバート・デニーロの演じている役に魅力を感じたことがあまりない。

トラヴィス・ビックルはたしかに良いが、「ゴッドファーザー2」のヴィトー・コルレオーネなんかは正直あまり記憶にない。「ミッドナイト・ラン」は大好きな映画だが、ほかの俳優たちが良すぎてデ・ニーロの影が薄い。主役も正直デ・ニーロよりもっと役に合った俳優がいたんじゃないのか、とすら思っている。