居直り日記

深く考えずに書く

追悼クインシー・ジョーンズということで「ポップスが最高に輝いた夜」を見た

We Are the World

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  • U.S.A. for Africa
  • ロック
  • ¥153

11月3日、クインシー・ジョーンズが亡くなった。追悼ということで「ポップスが最高に輝いた夜」をNetflixで見る。

"We Are The World" の収録舞台裏を描いたドキュメンタリーで、メインの語り手はライオネル・リッチー。ほか、プロデューサーやカメラマン、照明技師といったスタッフ数名と、シーラ・E、ヒューイ・ルイス、ブルース・スプリングスティーンなど。

ライオネル・リッチーはいい意味で学級委員長みたいだった。「如才ない」を体現してる感じ。深夜に及ぶ収録でヘロヘロなミュージシャンたちの気持ちをなだめて、場を和ませる。

酒飲みすぎてまともに歌えないやつ(アル・ジャロウ)、いきなりスワヒリ語を入れるべきと言って歌い出すやつ(スティービー・ワンダー)、直前になって「彼氏が『あの曲はヒットしないから参加しないほうがいい』って言うから出演辞める」とか言い出すやつ(シンディ・ローパー)など、フリーダムというか問題児なミュージシャンたちをなんとかまとめあげたライオネル・リッチークインシー・ジョーンズはホントに大変だったと思う。

シーラ・Eは、大物が集まるイベントに参加できて本当に嬉しかったのと同時に、自分がどうやらプリンスのダシに使われていることに気がついてちょっと傷ついたらしい。当時シーラ・E自身も大変なスターだったと思うが、そんな扱いだったのか。

ヒューイ・ルイスは当初ソロパートをあてがわれていなかった。しかし、制作側が「もしかしたら来るかも」と期待をかけていたプリンスが結局現れなかったため、急遽彼に白羽の矢が立ったのだ。

「プリンスのパートをつとめるなんて足が震えたよ~~」みたいにニコニコと語っていて、いい人すぎた。

ボブ・ディランは恐ろしく居心地悪そうで、見ているほうが悲しくなってきた。そのうえ、はじめは自分のパートをうまく歌えなくて困惑していた。最後には周りのフォローもあってちゃんと収録できたが「慣れない環境で初めての歌を歌う」というのは、プロにとっても簡単なことではないんだなと実感させられた。もっともそれはスティービー・ワンダーには当てはまらないかも。ブルース・スプリングスティーンいわく「彼は電話帳でも歌える」。

個人的に面白かったのが、スタジオ内に60~70人くらい人がいたのと、照明をかなり強くしていたので、現場がかなり臭かったという話。みんなその日の仕事が終わったあとに集まってきて、さらに歌っていたわけだからそりゃあ汗臭かっただろう。

80年代は、自分が最も洋楽のヒットチャートを追いかけていた時期だったので、見ていてちょっと胸が熱くなってしまった。クインシー・ジョーンズの追悼といいつつ彼の話はあんまりないんだけど、見てよかった。