居直り日記

深く考えずに書く

【映画】ジャックポット | 70年代のエリオット・グールドが見れるだけで満足

原題は "California split" 。ザ・70年代の映画である。

ギャンブルに明け暮れる男二人がリノで一世一代の賭けをして大儲けするが、片割れである主人公はふと自分が「何も感じていない」ことに気づき、もとの生活に戻る。面白いかといえば別に面白くはないが、この頃のエリオット・グールドが見られるだけで私にとってはOKである。そもそも、エリオット・グールドが出てなくても70年代の雰囲気だけで多分見ていられる。

エリオット・グールドの何がそんなに良いのか。もちろん顔や佇まいなどが好きなのだが、演じる役にもだいたい共通点があって、具体的には「道化的なところがある」「しぶとい」「平均よりちょい有能寄り」「偽善を言わない」とか、そういったところ。なんというか、「しょうがない、まあいいか」という態度で生きている雰囲気を漂わせている。

物語としては割とざっくりしているというか、当時の空気を感じさせるためだけに出てくるような人物もいる。ちょっと不安定な若い娼婦スザンヌとか。

ビルの会社の受付役 Barbara Colby は刑事コロンボ "Murder by the book(構想の死角) " で、Lilly La Sanka を演じている。Jack Cassidy 演じる犯人に惚れてしまい、彼の気を引くために脅迫した結果殺されるという悲しい役柄で、印象に残っている。彼女は36歳のときに見知らぬ男に銃撃されてなくなったそうだ。

ビルとチャーリーがバーで「白雪姫の七人の小人の名前を全部あげる」という賭けをする。4人しか思い出せないチャーリーが「ダンボ」と言うのだが、こういう、本筋に関係ないけど面白いシーンがあるとその映画を好きになる。

ニューシネマ特有の空虚さ、自分自身への一歩引いたような視線は当然ながら、ある。やっぱり他のどんな時代・どんなジャンルの映画よりもアメリカン・ニューシネマが自分にはしっくりくる。